F.シューベルト 「ロザムンデ」よりバレエ音楽第1番・間奏曲第3番・バレエ音楽第2番

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音不明
発売及び
CD番号
ARCHIVE DOCUMENTS(ADCD.114)


このCDを聴いた感想です。


 現在出回っているメンゲルベルクの演奏で、唯一録音年代が不明な演奏です。
 間奏曲第3番やバレエ音楽第2番は、この演奏以外にも1940年12月のライブ録音があり、その演奏と同じ演奏ではなかろうかとも思ったのですが、聴いた限りでは少し違いがあり、やはり別の演奏だと思います。
 1940年のライブに較べ、こちらの方があまり録音が良くなく、強弱のダイナミクスの範囲も狭くやや大人しめの演奏です。
 テンポの動かし方は、ここぞというところで大きくテンポを落としたりなどメンゲルベルクらしく、ポルタメントのつけ方などはよく似ていますので、メンゲルベルクの演奏という点は間違いないと思いますが、よりスッキリと薄めの味付けですから、1940年のライブよりも前の時期の演奏かもしれません。
 1940年のライブが表情付けの濃いメリハリの強くついた演奏だっただけに、そういう演奏を期待するとちょっと物足りなく感じるでしょう。もし、1940年のライブではあまりにもアクが強すぎてちょっと付いていけないけど、やっぱり粘りつくようなロマンティシズムはそれなりに欲しいからメンゲルベルクを聴きたいという人には、わりと合っているかもしれません。とはいえ、そういうニッチなところを求めるファンって、わたしみたいな変なファン以外にそうそういるとは思えませんが……
 ただ、この演奏には1940年の録音にはないバレエ音楽第1番が収録されています。
 代わりに当然入っていてもよさそうな序曲が入っていないのも不思議ですが、なにはともあれ、ロザムンデの録音を結構多く残しているメンゲルベルクもバレエ音楽第1番の録音はこれ一つだけで、非常に貴重な録音です。
 演奏傾向は、テンポがわりと頻繁に動く他の間奏曲やバレエ音楽第2番と違って、行進曲のようにテンポはほぼ一定で、ここぞという重要な部分だけテンポを動かしています。
 行進曲のようといっても、軽やかなスピード感からは程遠く、むしろ一歩一歩踏みしめながら歩いているみたいに重く、動きは少し鈍いのですが、その分、安定感があります。バレエ音楽といいながらあまり踊るような軽さとかキレの良さはありませんが、もともとバレエ音楽第2番の方も同じ傾向ですから、メンゲルベルクも躍らせるというより聞かせる音楽に徹しているのでしょう。
 しかし、この演奏、というかCDは、演奏内容以前に録音に大きな問題があります。
 1940年のライブよりも鮮明ではないというのももちろんありますが、それ以前に音跳びする演奏というのは、いくらなんでもひどいのではないでしょうか。
 いや、それも、間が一部跳んで、途中から急にもっと先に行ってしまうのならまだわかります。ところが同じところが何度も繰り返される音跳びというのは初めて聞きました。
 初めて聞いた時にはCDの表面が汚れていたのかな、と思ったぐらいですが、その部分を改めて再生してみても、出てくる音は繰り返しているのに、時間表示は何事もなかったかのように順に増えているのですから、これは完全にCDに入っている音が音跳びしているのでしょう。
 こういう部分は、間奏曲とバレエ音楽第2番に各一箇所ずつあるのですが、非常に心臓に悪く、さすがにこれにはまいりました。(2005/4/30)


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