F.シューベルト 「ロザムンデ」序曲・バレエ音楽第2番・間奏曲第1・3番

指揮ジョージ・セル
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1957年12月
カップリングメンデルスゾーン 劇音楽「真夏の夜の夢」 他
販売PHILIPS
CD番号442 727-2


このCDを聴いた感想です。


 この演奏は、珍しくセルがコンセルトヘボウ管に客演したときの録音です。
 セルというと、約25年間も常任指揮者を務めたクリーブランド管との演奏のイメージが強いのですが、ライブを別とすれば、数は多くないのですが他のオーケストラとの録音もいくつか残しています。
 このコンセルトヘボウ管との他にもロンドン響とヘンデルを録音した演奏もあります。

 さて、セル&クリーブランド管といえば、隅々まで光が当たっているかのようなクリアで緊密なアンサンブルでも有名ですが、この演奏のコンセルトヘボウ管もクリーブランド管に負けず劣らず引き締まったアンサンブルを聞かせてくれます。
 一つ一つの音を短く切って、カチッと凝縮した響きにしているため、音楽にとてもキレがあり、聴いていて爽快感があります。
 その一方で、中間部のゆったりとしたメロディーや、間奏曲第3番のような穏やかな音楽は歌い方が非常に柔らかく、安らいだ気分になります。
 特にこういう部分はオーケストラの音色に大きく影響され、セルも、クリーブランド管を指揮した演奏ではなかなかそこまでの柔らかなニュアンスを出した演奏が少ないことを考えると、これはセルがコンセルトヘボウ管の特長を上手く生かしていると言うべきなのかもしれません。

 また、バレエ音楽第2番では、序曲に較べて音が幾分広がり気味にすると共に、テンポも、基本はインテンポとはいえ、要所要所ではかなり自由に動かしているため、音楽に余裕があり、楽しげな雰囲気に溢れています。

 さて、残った一曲の間奏曲第1番ですが、序曲や間奏曲第3番、バレエ音楽第2番と較べて、カットされる場合も多く、今一つ馴染みの薄い曲というイメージがわたしにはあります。
 編成的には、間奏曲第3番やバレエ音楽第2番よりも序曲に近いぐらい大きく、長さも8分以上あり、結構長い曲です。
 内容も編成に見合ってなかなか激しく、しかも曲の中のメロディーのリズムがどれも割と似通っていることもあり、リズム面が強調されて聞こえてきます。
 演奏の方も、どうしてもアクセントを叩きつけるようにした激しい演奏になってしまうのですが、セルはどんなにアタックをきつくしても、決して響きが汚くならないように注意を払っています。
 そのため、音楽は実に堂々とした雰囲気を保っています。

 この演奏が録音されたのは、1957年ですから、コンセルトヘボウ管はベイヌム全盛の時代です。
 当然、オーケストラも最も充実している時期ではあるのですが、それでも客演でこれだけ引き締まったアンサンブルを引き出すのは容易なことではないでしょう。
 さらに、同じ頃録音されたベイヌムの他の演奏とも、ニュアンスなんかは結構違いがあったりしてセル独自の雰囲気が感じられます。
 さすが『セル恐るべし!』といったところでしょうか(笑)(2001/12/14)