F.マルタン 7つの管楽器とティンパニー、弦楽のための協奏曲

指揮ジャン・マルティノン
演奏シカゴ交響楽団
録音1966年3月19日
カップリングR.シューマン 交響曲第1番<春> 他
「THE CENTENNIAL COLLECTION 100 CHICAGO SYMPHONY ORCHESTRA」の一部
発売BMG(RCA)
CD番号60206-2-RG


このCDを聴いた感想です。


 独奏が管楽器7本とティンパニーという、やたらと人数の多い協奏曲です。
 この人数の多さから、聴く前は、バロックの時代の合奏協奏曲のように、独奏楽器群と伴奏の2パートに分かれていて、それぞれ掛け合いにでもなっているのかと思いました。
 ところが聴いてみると、どっちかというとバルトークのオーケストラのための協奏曲などの方に近いですね。ソロ楽器同士の掛け合いというよりも、伴奏のオーケストラとソロ楽器の結びつきの方が強いのです。もっとも、バルトーク場合は、第2曲の「対の遊び」のように、楽器のパート毎にソロになっていましたが、この協奏曲ではパートではなくソロ楽器単独です。
 伴奏のオーケストラはずっと変わりなく存在して、その相手としてソロ楽器が入れ替わり立ち替わり登場してきます。
 もちろん、ソロ同士の掛け合いもありますが、曲調が思いっきり現代曲で、どことなく荒涼としているため、協調するというより、逆に主役の座を賭けてしのぎを削っているように聴こえるぐらいです。
 ただ、各ソロ楽器の演奏者は、それぞれ随一の達人ですから、その対決も見ごたえがあります。特に「キレが良さ」はずば抜けています。
 CDなどのリーフレットにはソロ奏者の名前が記載されていませんが、おそらくシカゴ響の当時の首席奏者たちでしょう。木管楽器に速い動きがあるのはもちろんのこと、金管楽器でも一気に駆け上るような速い動きがあったり、ティンパニーにもニールセンの「不滅」ばりの乱れ打ちも登場します。しかし音には乱れが全くありません。
 なにより音の粒がクリアで、どんな動きでもしっかりと際立って聞こえてきます。
 ソロ同士がぶつかるような動きをしたりと、かなりゴチャゴチャと複雑に入り組んでいる曲ですが、楽器の音がクリアであるため、各楽器や伴奏の動きを容易にたどることができます。
 初め、全体をパッと聴いた感じだと、てんでバラバラに勝手なことをやっているようにしか聞こえませんでした。しかし、改めてソロや伴奏の動きを辿ってみると面白いものです。ソロが伴奏の上を縦横無尽に走り回り、伴奏をズタズタにしているように見えて、逆に織物のように、ソロと伴奏が上手く絡み合っているのがしだいにわかってきます。(2010/11/12)


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