F.メンデルスゾーン.B ヴァイオリン協奏曲

指揮エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム
独奏Vn:アルフレッド・カンポーリ
演奏ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
録音1949年5月15〜16日
カップリングタルティーニ 悪魔のトリル 他
発売DUTTON
CD番号CDBP 9718


このCDを聴いた感想です。


 このヴァイオリンソロは素晴らしく張りのある音です。
 もう頭のソロが出て来る部分から、ピンと音が張りつめていて、伸びもあります。
 特に、高音部で音がかすれたり細くなったりしないのは見事で、伴奏の音がいくら大きくなってもその上を飛び越えて、しっかりと耳に届いてきます。
 また、テクニックもしっかりとしていて、カデンツァもあいまいな部分が無く、まるで簡単なことのように易々と弾きこなしています。
 さらに、このテクニックはメロディーを歌わせるのにも大きく役立てられています。
 細かい音符が連続して続いていても、テクニックに余裕があるため、強弱の差をつけたりアクセントをおくことができ、単なる音符の羅列ではなく音楽が生き生きとしてくるのです。
 それに加えて、時代性もあるのでしょうが、ビブラートはかなり多めにかけ、スラーで動く音は幾分ポルタメント気味に移り変わっています。
 当然全体的な歌わせ方も、思い入れたっぷり弾いているため、表情は濃厚なのですが、クドイというほどではなく、ほのかな色気を感じさせるといったところでしょうか。

 このヴァイオリンソロを弾いているアルフレッド・カンポーリというヴァイオリニストは、わたしもこのCDで初めて名前を知ったのですが、1906年にイタリアで生まれて、1991年に亡くなっています。来日したこともあるようです。
 この演奏を聴いて、この人の他の演奏も聴いてみたくなりました。

 さて、伴奏の方ですが、ヴァン・ベイヌムがコンセルトヘボウ管ではなく、ロンドン・フィルを指揮しています。
 ヴァン・ベイヌムとロンドン・フィルという組み合わせは、ヴァン・ベイヌムがロンドン・フィルの首席指揮者を務めていたということもあり、コンセルトヘボウ管とのコンビほどでは無いにしても、それなりに録音は残っています。
 ……というか、良く考えたら、ヴァン・ベイヌムってコンセルトヘボウ管とロンドン・フィル以外のオーケストラとの録音ってありましたっけ? そういえば無かったような気が……
 それはともかく演奏ですが、実はソリストの存在感があまりに強烈なので、伴奏はあまり印象に残りませんでした。
 まあ、裏を返せば、サポート役に徹していてソリストを大いに盛り立ているということですから不満はありません。
 ただ、次にヴァン・ベイヌムとロンドン・フィルとのコンビの演奏について書く場合には、今度はオーケストラが主体の曲で書きたいところです。(2002/2/1)


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