F.メンデルスゾーン.B 交響曲第5番 ニ短調 <宗教改革>

指揮ポール・パレー
演奏デトロイト交響楽団
録音1958年3月21日
カップリングメンデルスゾーン 劇音楽<真夏の夜の夢> 他
発売MERCURY
CD番号434 396-2


このCDを聴いた感想です。


 これほどまでに引き締まった演奏というのもなかなか無いと思います。
 一音一音にスピードが有り、その上、音をザッザッと短く切り揃え、まさに『鋼鉄の筋肉』といった感じで、ちょっと突付いただけで弾け飛びそうな緊張感に充ちています。
 しかも、細かい動きまでアンサンブルが見事に揃っているため、響きに濁りが無く、透明感……というには少し音に力がありすぎますが、曖昧さを一切感じさせない決然とした響きには、聴く者に有無を言わせぬ迫力が感じられます。
 さらに、ピアノとフォルテのダイナミクスの差を大きく取り、表現の幅を広げるとともに、音楽にメリハリをつけています。
 特に、この曲では、一小節内や数小節間でピアノからフォルテまで一気にクレッシェンドで持って行って、すぐにディミヌエンドして元の大きさに戻るという表現が多く使われているのですが、パレーは、この部分を上手く扱っています。
 オーケストラがクレッシェンドでの上昇カーブの描き方を全員で揃えている事もあって、ピアノからフォルテへの持っていき方にムラが無く、それでいて手で物を引き抜く時のように、一気にフォルテまで昇りつめる事ができるのです。
 そして、次の瞬間、今度は潮を引くようにスッと下がって行く様子は、非常に機敏で何度聴いても感心させられます。
 一方、音があまりにも引き締まりすぎて、第2・3楽章のように少しゆったりとした楽章では、ちょっとキッチリしすぎのような印象を受けるため、もう少し柔らかさ潤いが欲しいところです。
 その点、逆に第1・4楽章では、それがプラスに働いて、たるみのない躍動感に溢れる演奏となっています。
 さらに、この第4楽章で、弦楽器が速い動きをしている上に、管楽器が大きなフレーズでメインのメロディーを演奏するところなんかは、非常に堂々としていて、スケールの大きさが感じられます。(2002/10/18)


サイトのTopへ戻る