F.メンデルスゾーン.B 交響曲第4番 イ長調 <イタリア>

指揮ジュゼッペ・シノーポリ
演奏フィルハーモニア管弦楽団
録音1983年6月
カップリングシューマン 交響曲第2番
発売ポリドール(Grammophon)
CD番号UCGG-9099


このCDを聴いた感想です。


 とてもテンポ感のいい<イタリア>です。

 この曲の冒頭を聴いた瞬間からその小気味良いテンポに惹きつけられます。
 また、メロディーもよく歌わせているのですが、決して重くなったりはしません。あくまでも明るく軽く伸び伸びと歌わせています。
 それは、まるで一陣の風のように爽やかで、ドロドロとしたような暗さを全く感じさせません。
 この歌わせ方が、<イタリア>という曲の南国の日差しをいっぱいに浴びたかのような明るさに、ピッタリとマッチしています。
 また、シノーポリの良いところは、伸び伸びと歌わせていても、一本調子になってしまわない所です。
 決めるべきところで、きっちりアクセントをつけることで、音楽をより生き生きとさせています。
 また、強弱を使い分けて出る部分と引っ込める部分との差をつけることで、奥行きを感じさせ、立体感をだしています。
 この強弱という点では、特にピアノ部分での音の扱いには目を見張りました。
 第2楽章に特長が良く出ているのですが、ピアノになっても音が痩せたりせず、一音一音丁寧に演奏させて緊張感を保っているのです。

 さらに第4楽章では、エネルギーがあふれ出るような激しい演奏を聴かせてくれます。
 しかも、激しいといっても演奏が乱れることは無く、カッチリと締まっていて緊張感があります。

 ただ、一つ分からないのが第3楽章のテンポです。
 他の演奏は、多少の差はあっても大抵6分から6分30秒程度なのですが、シノーポリは8分23秒もかかっています。
 シノーポリの演奏が異常に遅いことが分かって頂けたと思いますが、今ひとつシノーポリがそんなに遅いテンポにした意図が見えてきません。
 演奏を聴く限りは、単に遅い分だけ間延びして聴こえるだけのように思えてきます。
 第1・2・4楽章がキビキビとしていただけに、何だか残念です。

 ところで、この演奏が録音された1983年というのは、シノーポリがフィルハーモニア管の首席指揮者に就任する前の年です。
 この演奏を聴いていると、フィルハーモニア管が当時まだ40歳にも満たなかったシノーポリと契約しようと考えたのも頷けました。(2001/8/31)


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