F.メンデルスゾーン.B 劇音楽「真夏の夜の夢」よりスケルツォ

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1928年6月12日
発売及び
CD番号
Pearl(GEMM CDS 9018)
EMI(CDH 7 69956 2)
東芝EMI(TOCE-8191〜99)
NAXOS(8.110853)


このCDを聴いた感想です。


 メンゲルベルクはメンデルスゾーンの録音をあんまり多く残していません。
 おそらく交響曲については全く録音していませんし、「真夏の夜の夢」が、この演奏とは別に1938年にBBC交響楽団との演奏が残っていて、他に劇音楽「アタリア」の僧侶たちの戦争行進曲を残しているだけです。
 全ての録音が、1940年にオランダがドイツに占領されるよりも前なのは、しょうがないとはいえ(ナチス占領下では、メンデルスゾーンとマイアベーアとマーラーの演奏は禁止されていました)、もう少し録音を残して欲しかったと思います。
 まあ、メンゲルベルクにとって主要なレパートリーではなかったのかもしれませんが……
 ちなみにBBC交響楽団との「真夏の夜の夢」はこの録音と違って、序曲と夜想曲もセットになっています。しかし、ライブ録音なのでしょうか、あまりにも音が悪すぎて、聴いていてかなりつらいものがあります。
 もう一つの「アタリア」の僧侶たちの戦争行進曲は、なぜか2回も録音しています。しかもその2回の録音は1924年と1929年で、その間はたった5年間です。
 ちなみに1924年はニューヨーク・フィルハーモニックとで、1929年のはニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団とです。
 この二つのオーケストラは名前が似ていますが、それもそのはずで、ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団は、ニューヨーク・フィルハーモニックともう一つのオーケストラが合併してできたオーケストラなので、同じ系統というわけなのです。
 この合併してできたニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団は、その後再度改称して、現在は、ニューヨーク・フィルハーモニックとなっています。
 よくよく考えてみますと、コンセルトヘボウとの録音は、この演奏だけってことですか……

 それはさておき、
 演奏のほうですが、この曲普通に演奏しても5分以内に大体収まるぐらい短い曲なのですが、メンゲルベルクはさらに途中でカットを入れて短くしています。
 そのため3分40秒という、そこだけ聴いたら超快速な演奏じゃないかと思ってしまうような異常な演奏時間になっています。
 スケルツォなので、1拍が1小節ですが、なんと44小節もカットしています。
 SPに何曲も押し込めるために無理にカットしたんじゃないかと疑いたくなります。
 実際に、もう一つの録音であるBBC交響楽団との演奏では、カットをしてないのです。演奏時間も50秒も長い4分30秒です。ただテンポ自体もコンセルトヘボウとの演奏よりも若干遅くなっています。

 この演奏は管楽器は若干怪しげなのですが、弦楽器は粒が揃っていて、スタッカートがマルカート気味に丸く跳ねているところが、キレの良さを引き出しています。
 ただこの演奏、軽さよりはどうしても迫力が前面に出てきています。決して鈍重というわけではないのですが、重量物が凄い勢いで飛び回ってるような感じで、パックが飛び跳ねているみたいな羽毛のような軽さというわけにはいかないようです。
 アタックを思いっきり効かせてるところからも、そういう印象を受けるのかもしれません。

 録音は、スタジオ録音ということもあり、20年代の録音にしてはまあまあクリアだと思います。
 特に弦に関してはかなりクリアに聞こえます。
 その反面管楽器が弱く、バランスはあまりよくありません。
 弦楽器がピアノの間はまだましな方ですが、フォルテになると完全に負けてしまっています。

 実は、さっきからずっと話題にしてきたBBC交響楽団とのCDは、最近Music&Arts社から糾弾されているDanteのものなのです。
 しかし、この演奏は、現在わたしが知る限りでは、手に入れることができるのはDanteのものしかありません。
 他にあったらわたしは多分速攻で買いに行ってます(笑)
 いや、本当は7年くらい前にArchive DocumentsからMengelberg Edithionのシリーズの一つとしてベートーヴェンの交響曲第7番とのカップリングで出るには出ていたのですが、とっくに品切れで、中古レコード屋にも出回っているところを見たこともありません。まあ入手するのは事実上不可能に近いでしょう。ああ、やっぱり見かけた時に買うのが鉄則でした……(泣)
 このDanteのCDしかないのであれば、これを買うしかないのではと思います。(2000/9/1)


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