F.リスト ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調

指揮ウィレム・メンゲルベルク
独奏ピアノ:マリヌス・フリプセ
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1944年2月27日
カップリングショパン ピアノ協奏曲第2番 他
THE MENGELBERG EDITION Vol.8
発売ARCHIVE DOCUMENTS
CD番号ADCD.114


このCDを聴いた感想です。


 今日のお題は、リストの代表作「トライアングル協奏曲」です。


 ……まあ冗談はさておき、たしかにこの曲を聴いていると、口の悪いハンスリックらがこの曲を「トライアングル協奏曲」と名付けたのもわかるような気がします。
 独奏であるピアノを別にすれば、トライアングルは、ほとんどソリストと言っていいぐらい目立ち、かつ効果的な扱われ方をしています。
 これは、トライアングルの楽器としての表現の幅を考えると、驚異的なことかもしれません。
 トライアングルは第3部のAllegro vivace以降に出番がありますが、ピアノソロとほぼ対等と言いたくなるほどの存在感があり、しかも、派手なピアノに対して澄んだ清楚な雰囲気があり、見事な対照になっています。

 さて、このCDの演奏の話です。

 頭からこう書いてしまうのは大変心苦しいのですが、このCDはとてもとても人にお薦めできるようなCDではありません。
 しかも、その理由は、演奏がしょーもないとかそういった類ではないのです。
 このCDを人にお薦めできない理由……それは、ただひとつ『音の悪さ』です。
 実はこの演奏、以前書いたブラームスの交響曲第3番と同じ日の演奏なのですが、録音の悪さも甲乙……ではなく、丙丁つけがたいと言いたくなるほどの悪さで、強弱記号でいうとピアノなどの楽器が少ない部分はまだマシなのですが、フォルテで全合奏になると、みんなゴチャゴチャに聞こえてしまい、何が何だか訳がわからなくなってしまいます。
 こんな録音ですと、いくら演奏が良くても、さすがに人に薦めるのを躊躇したくなる気持ちはわかりますよね?(笑)

 しかし、この録音の悪さをちょっと思いっきり目をつぶれば、演奏自体はなかなか面白い演奏です。
 第2部の最後の方など、ソロとバックがちょっぴり合ってないような気もしますが、それ以外の部分では両者ともテンポをかなり揺らしても、割とピッタリくっついています。
 特に第3部以降は、ここぞというところでは大きくテンポを落としたりして、見せ場をつくってくれます。
 録音が悪い中で、幸いトライアングルだけはキチンと録音されていますし。
 ……しかし、これでトライアングルが蚊の鳴くような音でしか録れていなかったら、泣くしかなかったでしょうね……
 また、この曲の第4部は、それまでの3部で演奏された主題がまとめて出てくるのですが、ブルックナーみたいに一度に出てくるのではなく、交互に出て来る構成にもこの演奏は助けられています。
 もし、一度に出てこられていたら、この演奏の録音状態ではとても聞き分けることなど出来なかったでしょう。
 しかし、順番に出てくるために聴き取りやすく、さらに主題毎に濃厚につけられた表情が入れ代わり立ち代り表れ、楽しい演奏になっています。

 さて、今回の感想を書くにあたって、一番問題だったのが、わたしがピアノについて良し悪しが全くわからないということでした(笑)
 というわけで、今回のソリストのマリヌス・フリプセについてほとんど言及できていません。
 せめて略歴なりとも書こうかと思ったのですが、さっぱり資料が見当たりません。
 この演奏以外のCDもほとんど出ておらず、海外のwebを探してもみつかりません。
 そもそもこの人、男なんでしょうか? 女なんでしょうか? 名前のマリヌスでは、わたしの乏しい知識では判別できません。
 まあ、それはともかくとして、ピアノに関しては、次にピアノ協奏曲について書くときには、少しはわかるようになっておきたいものです(←希望)(2001/5/11)


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