F.J.ハイドン 交響曲第104番ニ長調<ロンドン>

指揮コリン・デイヴィス
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1977年11月5、10、11日
カップリングハイドン 交響曲第100番<軍隊>
発売日本フォノグラム(PHILIPS)
CD番号PHCP-3569


このCDを聴いた感想です。


 サー・コリン・デイヴィスはコンセルトヘボウを振って残している録音も多く、以前から注目していた指揮者の一人です。
 中庸さが売りということもあって、聴いた演奏が自分に合わないと、とんでもなく退屈に聴こえます。
 例えばドヴォルジャークの交響曲やシベリウスの交響曲(これはボストン響ですが)は、それなりに良くまとまっているとは思うのですが、どうしても好きになれません。同じ曲を他の人が演奏したのに較べるといまいち魅力が感じられません。
 ところが、演奏が自分に合っていると、これほどリラックスして聞けて、なおかつ全く退屈することがない演奏は他にないのです。
 このハイドンは正に自分にピッタリと合った演奏で、テンポといい、ダイナミクスといい、こうあって欲しいという願望を完全に満たしています。
 中庸といってもボケたりすることはなく、鋭いキレのよい演奏です。しかも、鋭すぎてキツイということもありません。
 特にすばらしいのはテンポとバランスです。
 テンポは聴く方の感覚によってもかなり変わってくるのでしょうが、わたしにとっては、「もうこれしかないっ!」というぐらいピッタリなテンポです。
 おそらく古楽器での演奏に較べたら遅い方だと思いますが、一つ一つの音が充実してるけど、間延びしないというテンポであり、スッと心に入ってきます。
 バランスの方も、わたしが普段、バランスなんてこだわってはいけないような古い録音ばっかり聴いているせいもあるのでしょうが、弦管打とも、出っ張りすぎて雰囲気をこわしているパートや、埋没してしまって全然聞こえなくなっているパートがありません。
 聞こえて来てほしいパートはそう聴こえ、抑えて欲しいパートは、他のパートを邪魔しない、これがとても気持ち良いのです。
 そして、穏やかな部分は柔らかく、でもアタックで強調する部分は、キッチリ決める。確かに変わったことをしているわけではない。しかし音自体が充実しているから、その落ち着き具合が却って魅力を引き出しているのです。
 これが、一歩間違えると単なる退屈な演奏となってしまうところが、コリン・デイヴィスの演奏を買うときにすごく怖い点なのですが、良い時はすばらしくピッタリあうので、ついつい麻薬のようにフラフラと手を出してしまいます(笑)(2000/7/14)


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