C.M.v.ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1931年6月1日
発売及び
CD番号
GRAMMOFONO2000(AB 78638)
HISTORY(205254-303)
Pearl(GEMM CDS 9018)
東芝EMI(TOCE-8191〜99)
NAXOS(8.110853)
ARCHIPEL(ARPCD 0193)


このCDを聴いた感想です。


 メンゲルベルクのウェーバーは序曲を中心に何曲か録音が残っていますが、この「魔弾の射手」と「オイリアンテ」は同じ日に録音されています。
 両曲ともコロンビアへの録音なのですが、当時の他の演奏の日付を見ると、交響曲のような大曲を別にすれば、たいていの曲は一日で録音を終わらせていて、しかも一日に何曲も録音するケースが多いようです。
 今と違って、少しづつ録り直したりしないで、一発録りが多かったのでしょう。また、機材設置に非常に手間がかかるのでまとめて録ったりしているのかもしれません。
 まあ、わたしが勝手に推測しているだけですが…

 演奏の方は全体的に重めです。
 テンポ自体は速めなのですが、フレーズの最後でテンポを遅くしているところが何箇所かあります。
 これが、ブラームスとかであったら、たぶんそれほど気にならなかったのでしょうが、この曲ではどうもしっくり感じません。
 曲の勢いが削がれているようなイメージを受けます。
 また、これは再生装置にもよるのでしょうが、低音がむやみやたらと強くバランスが崩れているのも重く聴こえることに拍車をかけています。
 しかも、この低音は強く入っている割には、響きばっかりで音の輪郭はかなりぼやけているので、さらに性質が悪いのです。
 CDのリマスタリングももちろん関係してきますが、わたしの持っている3種類のCDの全てが、そんなバランスになっていますので、たまたまプロデューサーが三人とも同じ傾向を好んだというわけでなければ、録音時のバランス自体が良くないのだと思います。

 いま、3種類のCDがあると書きましたが、わたしが聴いた限りでは、レベルとしてはどんぐりのせいくらべだと思います。
 ただ、3種類とも全く同じように聴こえるかというと、そういうわけではなく、それぞれ一長一短があるため結果として同レベルになっているのです。
 今回取り上げたGRAMMOFONO2000は以前このコーナーで取り上げたカラヤンが指揮したブラームスの交響曲第1番と同じくCEDARというリマスタリングを使用しているのですが、音が生々しいという点ではこれが一番だと思います。ただ雑音がある程度目立ち、音のバランスはもっとも悪いと思います。
 もう一枚はDANTEから出ているもので、雑音の少なさではこれが一番優れています。ただ、楽音も一番篭って聞こえます。
 最後は、東芝EMIから出ている「メンゲルベルクの芸術」という全集の中の一部なのですが、これは、音の生々しさでは、前の二つの中間ぐらいです。そして音のバランスはもっともまともに聴こえます。ただ、雑音はこれが一番激しく聞こえてきます。
 こうなると、もう聴く方の好みになってきますので、わたしは音の生々しさを一番重視したというわけです。(2000/6/9)


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