C.H.パリー イェルサレム

編曲 : E.エルガー

指揮アンドルー・デイヴィス
演奏BBC交響楽団
BBCシンガーズ
BBC交響合唱団
録音1994年9月10日
カップリングJ.S.バッハ トッカータとフーガ(ウッド編) 他
「LAST NIGHT OF THE PROMS THE 100TH SEASON」の一部
発売TELDEC
CD番号4509-97868-2


このCDを聴いた感想です。


 スタジオ録音でもいろいろありますが、やはりプロムスのラストナイトの定番としての「イェルサレム」はライブ録音でないと伝わってきません。
 このCDは、アンドルー・デイヴィスが指揮した、プロムス100周年記念のラストナイトの録音で、なかでも「イェルサレム」は最後の曲にあたります。
 当然観客の熱気も最高潮で、拍手のみならず、口笛は入るは、野球の応援で使われるようなブーブー笛のような音は入るは、おまけにクラッカーまでバンバン鳴らされます。
 ただ、面白いことに、曲が終わった瞬間には大歓声が巻き起こるのに、演奏している間は終わった後の興奮が嘘のように静かです。たまに我慢し切れなかったクラッカーが聞こえる程度で、それ以外の観客の出す音はほとんど聞こえません。もしかして舞台上の合唱に合わせて歌うのに夢中でそれどころではないのかもしれませんが。
 演奏の方も、コンサートの最後の最後だから歌いに歌いまくってたっぷりと弾くのかというとそうでもなく、他のラストナイトも同じなのかはわかりませんが、少なくともこの演奏は、けっこうテンポが速く、むしろキレの良い演奏になっています。
 もちろんライブですから大人しいわけではなくテンションは高いのですが、バランス良く整っているため、熱狂的という感じではなく、荘厳で、なんだか賛美歌を聴いているようです。考えてみれば歌詞も宗教的な内容ですし、賛美歌っぽく聞こえても不思議ではないのかもしれません。
 ライブ録音なのでラストナイトの華やかさは非常に良く伝わってきますが、録音はどうしてもスタジオ録音ほどクリアではありません。会場の反射音がマイクに入っているため、特に合唱がどうしてもオーケストラよりワンテンポ遅れて聞こえるのです。この遅れて聞こえる合唱は、会場の人たちも合わせて歌っているからというのもあります。歌でなくても、例えばラデツキー行進曲みたいにお客さんがオーケストラに合わせて手拍子をするのをオーケストラ側で聴いたことがある人ならすぐわかると思いますが、お客さんはオーケストラにピッタリ合わせて打っていてもオーケストラ側ではかなり遅れて聞こえます。この演奏の合唱はそこまで極端ではないにしてもずっと半テンポぐらい遅れて聞こえてくるのです。そんなものだと納得すればそれほど気にならないのですが、スタジオ録音のように完全に合わせた演奏に慣れているとちょっと聴き辛いと思います。
 上記にこの「イェルサレム」は最後の曲と書きましたが、正確には最後のトラックではあるけれど、最後の曲ではありません。
 CDのタイトルには書かれていませんが、「イェルサレム」に続いて、ラストナイトの最後は必ずこれで締めくくられる「蛍の光」が演奏されます。オーケストラは無く合唱のみで、ほとんどおまけみたいなものですが、これぞまさにラストナイトの最後という雰囲気が出ています。
 これはCDですから音声のみですが、こういう雰囲気が大事なコンサートはぜひDVDのような映像つきで見たいものです。(2007/9/1)


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