C.グノー 小交響曲 変ロ長調

指揮アレグザンダー・ブレツィーナ (Alexander Brezina)
演奏ミュンヘン・ブレーセルアカデミー
録音1981年11月11〜13日
カップリングドヴォルジャーク 管楽セレナード
発売日本フォノグラム(ORFEO)
CD番号32CD-10039(C 051 831 A)


このCDを聴いた感想です。


「アヴェ・マリア」ばかりが有名で、後は歌劇「ファウスト」ぐらいで知られているグノーですが、実は交響曲も書いています。
 もっとも今回取り上げるのは交響曲という名前はついていても「小交響曲」の方で、ちゃんとした編成の2曲の交響曲とは別のもので、この曲は管楽の室内楽の曲です。
 編成は、フルート×1、オーボエ×2、クラリネット×2、ホルン×2、ファゴット×2の9重奏で、全4楽章あるものの、全楽章通しても20分強程度のそれほど長い曲ではありません。
 その四つの楽章も、第1楽章から、「Adagio-Allegro」「Andante」「Scherzo」「Allegretto」とテンポや形式こそ交響曲らしいのですが、ごくごくささやかなもので、言ってみればモーツァルトのセレナードみたいな感じです。
 曲の雰囲気からしてモーツァルトのセレナードに近く、明るく華やかです。
 いや、モーツァルトよりもさらに明るい方に特化していて、少しでも暗い雰囲気を感じさせるのは第1楽章の冒頭のアダージョの部分と第3楽章のスケルツォの一部ぐらいなもので、その二つですらすぐに明るくなってしまい、後は全編楽しい雰囲気に溢れています。
 さらに、わたしがこの曲で最も大きな特長だと思う点があります。
 この曲は、「可愛い」のです。
 9人という小編成(室内楽としては少々大人数ですが)ということもあって、いくらフォルテになっても、人を威圧するような凄みがありません。
 フォルテとピアノは、まるで、一面の野原に花がたくさん咲いていたり、まばらに咲いていたりするような違いで、和んだり楽しくさせたりすることはあっても、巨大な花になって人を襲ってきたりはしません。
 そもそもこの曲には、人生の悩みとか勝利といった重いテーマはありません。そういう精神性から離れて、もっと無邪気に楽しさを感じる心をこの曲は思い出させてくれるような気がします。

 少し余談になりますが、以前、わたしはこの曲を演奏したことがあります。
 そのときにわかったのですが、この曲はパッと聴いた感じではオーボエが大活躍する曲のように聞こえますが、実は活躍するのは1stオーボエだけなのです。
 2ndオーボエは、ソロが無いだけでなく、そもそも出番そのものがとんでもなく少なく、半分おまけみたいなのです。
 楽といえば楽なんですが、あまりの出番の少なさに、楽譜を見た瞬間、思わず存在意義を疑いたくなってしまいました。(2003/12/20)


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