C.E.アイヴズ 「アメリカ」の主題による変奏曲

編曲:ウィリアム・シューマン

指揮ユージン・オーマンディ
演奏フィラデルフィア管弦楽団
録音1968年5月6日
カップリングバーンスタイン 「キャンディード」序曲 他
「AMERICAN MASTERPIECES」の一部
発売SONY
CD番号SBK 63034


このCDを聴いた感想です。


 この変奏曲の主題の「アメリカ」というのは、「God save the Queen」……早い話がイギリス国歌です。
 始めにテーマが原型で演奏されて、それがだんだん変形されていく……と言いたいところですが、実は最初から変奏で演奏されます。
 最初の変奏が終わってから、改めて主題が原型の形で出てきます。まあ、変奏も同時に演奏されますが。
 この形式は、わたしの手元に資料がないので確実ではありませんが、ラフマニノフの「パガニーニの主題によるラプソディー」がこれと同様、変奏が先に演奏されて、後から主題が出て来る形式だったと思います。
 この曲は全体でも7分強の短い曲ですので、主題がいくら短いとはいえ、そんなにたくさん変奏があるわけではありません。
 変奏にしても、ちょっと短調になったりメロディーが若干変わる程度で、主題の形をほとんど保っており、拍子も3拍子のままで、テンポもほとんど一定です。同じ変奏曲のブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」等と較べると、はるかに原型を留めています。
 いや、どちらかというと通常の変奏曲より、ラベルの「ボレロ」のように同じ主題をオーケストレーションを変えて延々と(というほど長くはありませんが)繰り返している形式に近いと思います。
 まあ、「ボレロ」ほど徹底して同じメロディーを繰り返しているわけではないですから、両者の中間といったところでしょうか。
 ただ、変奏に不協和音が多く取り入れられているところは、アイヴズの特徴が良く表れています。
 で、変奏を彩るオーケストレーションですが、これは編曲者のウィリアム・シューマンの意向が強く現れていますが、管楽器、特に金管楽器が多用された、派手で聴き栄えのするものになっています。
 曲の中のいかなる暗い部分でも、底では必ず明るさと楽しさが感じられるところが、いかにもパックス・アメリカーナの時代の曲だなって思えて、うれしくなります。
 ところで、なんでこの主題が「アメリカ」なんでしょうね? 不思議です。(2000/11/3)


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