C.E.アイヴズ 交響曲第3番<キャンプ・ミーティング>

指揮レナード・バーンスタイン
演奏ニューヨーク・フィルハーモニック
録音1965年12月15日
カップリングアイヴズ 交響曲第2番 他
発売SONY
CD番号SMK 60202


このCDを聴いた感想です。


 アイヴズではなくまるでベートーヴェンでも聴いているかのような気になってくる演奏です。
 もともと、この交響曲第3番はアイヴズにしては違うメロディーが同時に登場したりとか音が鋭くぶつかり合う部分があまり無く、前衛的な面が薄い、いわば昔風の曲です。その上、バーンスタインは、厚い響きでドラマチックに盛り上げています。
 その盛り上げ方はスパンの長いもので、細かく山を作るのではなく、楽章の中でクライマックスとなる部分を決め、楽章全体をそこへ向かって集約していきます。楽章を通して一本の大きな流れがあり、多少の枝葉はあっても全ては流れに沿っているため、ある意味非常に明快な音楽です。こういうシンプルな音楽作りがベートーヴェン辺りの昔の音楽を思い起こさせます。
 枝葉にとらわれず全体を一つに捉えて曲を作るというのは、やはりバーンスタインも得意なのでしょうか、クライマックスに向かって盛り上がるにしても、そこにスケールの大きさが表れています。強弱のダイナミクスの幅が広く、さらにフォルテでは音をスパッと切るかのようなスピード感と力強さが加わり、重厚にして輝かしい音楽を生み出しています。
 その一方で、全体に大きな流れがあるからといって、細部がおろそかにされているわけでありません。
 メロディーの歌い方もじっくりと丁寧で、他の演奏ではキレを優先して速いテンポでサッと流してしまうような細かいフレーズも、場合によってはテンポを遅らせてまで力を入れて歌っています。テンポの良さとキレは多少失っていますが、メロディーが大切に歌われていることがよく伝わってきます。
 全体としては、かなり濃厚な味わいで、1980年代以降ぐらいの他の指揮者の演奏のような鋭さや軽快さはありません。しかし、スケールの大きな盛り上がりとメロディーに対する歌いこみは、いかにもバーンスタインらしく、他には無い魅力があります。(2007/6/23)


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