C.E.アイヴズ 交響曲第3番<キャンプ・ミーティング>

指揮レナード・スラトキン
演奏セントルイス交響楽団
録音1991年5月7日
カップリングアイヴズ 「ニュー・イングランドの3つの場所」 他
発売BMG
CD番号09026-61222-2


このCDを聴いた感想です。


 この曲の表題の「キャンプ・ミーティング」。
 わたしたちがキャンプというと、どうしても野外でテントを張って遊んで、夜はキャンプファイヤー、というレジャーを想像しますが、この曲につけられた「キャンプ・ミーティング」とはそういうものではありません。
 『Camp meeting』で辞書を引いて頂くとすぐ分かるのですが、これは宗教性の高い行事なのです。

 一言で言うと、『伝道集会』

 何日間に渡って集い、祈祷や説教を行なう集会らしいのです。
 ただこれが、室内なのか野外なのかは辞書によってまちまちのため、どちらかとは決まっていないのかもしれません。

 さて、曲の内容の解説をします。
 この曲は三楽章で構成されていて、演奏時間はざっと20分強といったところです。
 この三つの楽章は「静−動−静」の順に並んでいます。この形式は、ほぼ同時期に作曲された「ニューイングランドの3つの場所」と共通しています。
 まず第1楽章は、「古い仲間達の集い」という表題がついています。
 Andante maestosoのゆっくりとしたテンポの中、賛美歌のような(本当に賛美歌の一つかもしれません)メロディーが流れて行き、それが次第に展開されていきます。
 それにともない、テンポもだんだん速くなり、構成も複雑になり、音楽も盛り上がりますが、あくまでも主体は弦楽器にあり、厳かな落ち着いた雰囲気を保っています。
 第2楽章は、「子どもたちの日」という表題です。
 Allegroですのでテンポは速いのですが、急き立てられるような雰囲気は無く、新幹線に乗っているかのように、滑るようにスピードに乗って快適に進んでいくような印象を受けます。
 先ほど近い形式と書いた「ニューイングランドの3つの場所」と比べて、最も異なっているのがこの楽章です。
 「ニューイングランドの3つの場所」の第2楽章がいろいろなメロディーを無造作にペタペタと貼り付けたみたいに混沌としているの対して、この曲の第2楽章は、賛美歌風のメロディーを中央に据え、まわりはあくまでもメロディーに調和させる立場に徹しています。
 風のように爽やかさに溢れた楽章です。
 第3楽章は、「聖餐式」(コミュニオン)という表題です。
 式としての「キャンプ・ミーティング」は、クライマックスがこの「聖餐式」のようです。(違ってたらゴメンナサイ!)
 そこで、この第3楽章が三つの楽章中で最も厳かな雰囲気になっています。
 メインの旋律は「いさおなきわれを血をもてあがない」という賛美歌だそうで、このメロディーが第1楽章同様、静かに展開されていきます。
 この楽章の中で、音楽は大きく山を描いており、曲の中程に向かって、だんだんとじっくり盛り上がっていき、山を越えた後は反対に、じわじわと潮が引くように静かになっていきます。
 そして、盛り上がって引いていく間も、コラールのように厳粛なままです。

 スラトキンの演奏は、響きをより重視しています。
 曲の性質もあるのですが、アタックはあまり強くせず、音を伸ばしている間のスピード感だけを速くする事で、厳粛さがより強調されてきます。
 全体的に落ち着いた感じで、明るめ第2楽章でも、派手さからは程遠い演奏です。
 しかし、その雰囲気が曲によくマッチしているのです。
 どっしりとした岩の上を水がサラサラと流れているように、音楽がどう動こうが下は安定しており、 安心して聴いていられる……そういう演奏です。(2001/4/20)


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