演奏 | ピアノ:サンソン・フランソワ |
録音 | 1963年2月14日・5月15日 |
カップリング | ドビュッシー 組曲「子供の領分」 他 |
発売 | 東芝EMI |
CD番号 | TOCE-7177 |
ドビュッシーの若い頃の作品とはいえ、感情に直接訴えかけてくる美しさと儚さは、やはりドビュッシーの作品なんだなってことを十分に感じさせてくれます。 しかもその傾向に拍車をかけているのがフランソワの演奏です。 テンポを自由に揺らし、ダイナミクスの幅は非常に広いというわけではありませんが、微妙な差をつけることで、いろいろな表情を見せてくれます。 特にタッチの具合は絶妙で、宙に浮いているかのような軽さが音色に表れています。 ベルガマスク組曲は全部で4曲で構成されているのですが、この中で一番有名なのは、おそらく第3曲の「月の光」だと思います。 たしかに、フランソワの演奏は「月の光」もなかなかいいのですが、しかし、なんといっても第4曲の「パスピエ」が一番すばらしい演奏だと思います。 この曲では、フランソワの軽さの特長がもっともよく出ています。 テンポの速い曲なので軽快さもあるのですが、それ以上に現実感を感じさせない幻想的な別世界のような雰囲気が感じられます。 まるで夢の中にいるかのようです。 今回、ピアノ曲を取り上げましたが、器楽曲自体を取り上げるのも今回初めてではないでしょうか。 基本的にわたしが良く聴く守備範囲からは外れているため、この曲のような少数の例外を別にすれば、CD自体、ほとんど持っていないのです。 ということは、誰もが知っているような有名な曲でも、器楽曲や室内曲だと持っていない………いや、それどころか聴いたこともない可能性もあるわけです。 ちょっと情けないかも(笑)(2000/7/28) |