C.A.フランク 交響曲 ニ短調

指揮シャルル・ミュンシュ
演奏フランス国立放送管弦楽団
録音1967年9月25日
カップリングフォーレ 組曲「ペレアスとメリザンド」 他
発売DISQUES MONTAIGNE
CD番号MUN 2031


このCDを聴いた感想です。


 第1楽章の演奏時間が14:05

 これだけでも、この演奏がいかに速い速度で飛ばしているか分かって頂けると思います。

 だいたい一般的な演奏で18分前後。なかにはカラヤンのように20分を超えている演奏すらあります。
 たしかにミュンシュはもともと速い方で、わたしが持っている他のパリ音楽院管とボストン響との演奏も16分強と他の指揮者よりも2分ぐらい短いのですが、このフランス国立管との演奏は、それよりもさらに2分以上も短い、つまり平均的な指揮者よりは4分、カラヤンクラスが相手だと6分も短いのです。20分に対しての14分ですからほぼ2/3の演奏時間というわけですね。
 当然、テンポも速いのですが、一定のテンポをずっと保って進むのではなく、かなり動かしています。
 音が上昇するに従ってぐんぐん加速していき、頂点でパッと速度を緩める、基本はこの繰り返しです。
 ただ、このパターンが音楽にとても良く合っています。
 テンポが加速するにつれ、聴いている方の気持ちもどんどん引っ張られていきますし、頂点で急にテンポが遅くなると、盛り上がりが強調され、よりドラマチックに感じられます。演奏時間は短いのですが、あまり常にハイテンポという感じではなく、ここぞというところではむしろじっくりと歌わせているという印象を受けました。
 スピードから受ける印象よりはずっと表情豊かで、本来なら遅いテンポで進められる演奏を、速いテンポで駆り立てていくことでスピード感と熱さが加わった演奏と見るべきなのかもしれません。

 さらに、この演奏のもう一つの特長は音色です。
 フランス系定番のサラサラとした薄い響きで、これがステンドグラスのように後ろから光を透かしていて、音に透明感をもたらしています。
 演奏自体は熱いのですが、この響きにより、ドロドロとした蒸し暑さはなく、カラッとした純粋な熱だけを感じるため、濃い表情の演奏なのにクドさはありません。

 ただ一つ残念なことに、この演奏はあまり録音が良くありません。
 ライブだからある程度はしかたがないのですが、1967年で西側(モントリオール)の録音なのにまだモノラルです。
 雑音こそ少ないものの、それほど鮮明ではなく、1950年代前半のスタジオ録音並といったところでしょうか。
 なによりも気になったのが、一部、音が左右に行ったり来たりしているところがある点です。
 これは録音というよりもリマスタリングによるものかもしれませんが、波のように左右に揺り動かれるのには、本当に参りました。大部分は拍手の時なのが救いですが、なんだか酔いそうになってくるほどです。これって、新しいCDで改善されたものをどこからか出していないものでしょうかね?(2005/2/27)


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