C.A.フランク 交響曲 ニ短調

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1940年11〜12月
カップリングベルリオーズ 「ローマの謝肉祭」序曲 他
発売Biddulph
CD番号WHL 023


このCDを聴いた感想です。


 メンゲルベルクのこの交響曲の録音は二種類あり、これはテレフンケンに行なったスタジオ録音の方を復刻したものです。
 しかし、スタジオ録音にも関わらず、あまり音が良くありません。
 これはどちらかというとリマスタリングが大きく影響してくるのでしょうが、演奏と自分との間に何か幕を挟んでいるような感じで、生々しさがあまり伝わってきません。
 こういう方向性はBiddulphのCD全てに共通していて、わりとキングレコードの復刻に良く似ています。
 場合によってはチャイコフスキーの第5番のように心に残る復刻もあるのですが、だいたいは聴いていてもどかしさを感じます。
 どうもあまり好きになれません。

 演奏の方に行きますと、まず、第1楽章の演奏時間が16:08という短さが目をひきます。
 実際に聞いてみると、Lentoの遅い部分は他の演奏と較べても速いということはなく、どちらかというと遅い方に入るかもしれません。
 ところが、速い部分はかなり速いスピードで突き進んで行きます。
 そのため、全体では16分ちょっとというぐらいの時間になっているのですが、この速い部分と遅い部分の差を大きくとっていることで、よりドラマチックに演出されています。
 また、ポルタメントもある程度は使っているのですが、あまりメロディーを歌わせているようには聞こえません。それよりもテンポに差をつけて演奏に表情を持たせています。
 このテンポを動かすところは、かなり多いのですが、うまくいっている部分が多く、色彩感は乏しいものの、かなり表情が豊かに感じられます。

 そういえば、第3楽章の6分30秒ぐらいのところで、3拍子に変わって、第2楽章のメロディーを金管がフォルテで吹く場所があります。
 第2楽章で演奏されるときは、そのメロディーは小節の3拍目の4分音符で始まっていますが、第3楽章のその部分は、譜面上でははじめの4分音符が無く、次の小節の頭からメロディーが始まっています。
 ほとんどの演奏では譜面通り演奏させていますが、一部の演奏では、小節の3拍目の音を補って、第2楽章のメロディーと同じに聞こえるようにしています。
 メンゲルベルクがそうなのですが、他にもボストン響をミュンシュが指揮したものや、パリ管をカラヤンが指揮した演奏も、同じように音を補っています。
 わたしは、この音を補う演奏の方が好きです。
 聴いていてメロディーの最初の音が無くて、二番目の音から始まっているのは、非常に違和感があり、いつも気になっています。
 やっぱり譜面を変更しても、メロディーの頭から音があるほうが、安定感を感じます。(2000/02/25)


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