B.H.クルーセル クラリネット四重奏曲第2番 ハ短調

演奏クラリネット:カール・ライスター
プラジャーク四重奏団
録音1982年9月6〜8日
カップリングモーツァルト クラリネット五重奏曲
発売日本フォノグラム(ORFEO)
CD番号35CD-10088(C141 861 A)


このCDを聴いた感想です。


 このCDは、もともとは一緒に入っているモーツァルトのクラリネット五重奏曲を聴きたくて買ったものです。もちろんお目当てのモーツァルトも良かったのですが、もう一曲のクルーセルも心地よい曲でした。
 クルーセルという作曲家は初耳だったため、事典などで調べてみたのですが、もともとはクラリネットの名演奏家で、クラリネット協奏曲や四重奏曲などクラリネットがらみの作曲家としては結構知られているようです。自分がクラリネットにそれほど興味が強かったわけではなかったので、恥ずかしながら全く知りませんでした。
 生没年は1775〜1838ということは、ベートーヴェンとほぼ同じ頃でしょうか。フィンランド出身というあたりは珍しいところですが、後のシベリウスの曲調がいかにも北欧らしい独特の雰囲気があったのに較べると、この四重奏曲を聴く限りでは、あまり北欧らしさは感じられません。時代もあるのでしょうが、形がしっかりと整った古典的な曲調でモーツァルト辺りともだいぶ近いように思います。
 優美というよりも素朴な感じで、明るさや暗さも、ごちゃごちゃと技巧を凝らしてまわりくどく表現するのではなく、ストレートに鮮明に表れています。もちろんストレートといっても、きちっとした枠は決まっているため、ロマン派のように感情を生のままぶつけたりせず、あくまでも紳士的に節度は保っていますし、技巧に走らないため深みのある複雑な雰囲気は出せないのですが、シンプルな分、曲の雰囲気に素直に浸って楽しめます。
 精神的につらいときなど、こういう、明るさや暗さがストレートに出ていながら表現が強すぎない曲を聴くと、本当に癒される気がします。
 編成は、クラリネット四重奏ですから、弦楽四重奏のヴァイオリンの一つがクラリネットに代わった編成ですが、立場はあまり平等ではありません。
 クラリネットだけ木管だから目立って聞こえるという点もあるのでしょうが、それでもクラリネットのウェートがかなり高いのではないでしょうか。
 まるで、弦楽三重奏を伴奏にしたクラリネット協奏曲のようで、クラリネットがおいしい役割の大部分を持っていっています。
 ちなみにこのCDは、クラリネットのカール・ライスターの知名度が高いので、ライスター目当てで買って、なにはなくともライスターをしっかり聴きたいという人にはちょうどよさそうです。実際わたしも、ライスターの音色もさることながら、メロディーの歌わせ方も十分に聞くことができ、大いに満足しました。(2008/5/31)


サイトのTopへ戻る