B.バルトーク 管弦楽のための協奏曲

指揮エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1948年9月15・20日
カップリングストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」
販売ポリグラム(DECCA)
CD番号POCL-4588


このCDを聴いた感想です。


 協奏曲という名称ではありますが、ヴァン・ベイヌムは管弦楽曲として扱っています。

 ソロの部分でも、ソロ楽器を必要以上に目立たせたりはせず、あくまでの曲の一部のソロとして、バックとの調和を優先しています。
 ソロというからにはもちろんメロディーなんですが、この曲のソロは第2曲の『対の遊び』に代表されるように、単独で出てくることはあまりなく、2本以上でハーモニーで動く場合や、対位法的な扱われ方をする場合がほとんどです。
 ヴァン・ベイヌムは、これらのソロ・パートが浮き上がりすぎないよう、それぞれのソロ楽器が歌い込みすぎて自己主張が強くならないようにし、ソロ・パート内での響きを綺麗にし、まわりに自然に溶け込めるようにしています。
 もちろん、溶け込んでいるといっても埋没しているわけではありません。バランス的にはギリギリの微妙なラインを保っています。

 この曲は、五つの楽章に分かれていますが、わたしはこの演奏は、第3楽章の「エレジー」が最も好きです。
 感情を表に出した演奏ではありませんが、ハーモニーやソロとバックのバランスが絶妙で、曲自体の美しさが直に感じられます。

 しかし、この演奏にはどうも気に障る部分があります。
 それはトランペットの音色です。
 録音のせいでしょうかね? どうも音色が『ベー』という感じに妙に平べったくて、雰囲気を壊しているように思えるのです。
 金管は全体的にそういう傾向があるのですが、特にトランペットに顕著に表れています。
 曲の部分によっては、この音色があっている部分や、もっと響きのある音色で吹いている部分もあるのですが、全体的には合ってない部分がほとんどなのです。

 録音は、本来なら1948年の録音としてはかなり上質の部類に入ると思います。
 しかし、わたしは不満です。
 これが、もしDECCA以外の会社であれば、不満は無いのですが、アンセルメ等であれだけの録音を残しているDECCAです。
 DECCAならもっともっと鮮明な録音ができる筈では……と、思っているわたしは、やっぱり無いものねだりなんでしょうかねぇ(笑)

 この演奏は、わたしの知っている限り、現在2種類CDが出ています。
 ひとつが今回のポリグラムから発売された国内盤で、もう一つがDuttonから発売された輸入盤(CDK 1206)です。
 この二枚、復刻の方向性はかなり異なります。
 ポリグラム盤の方は、残響を付加したりせず、元来の音を保ってますが、響きが乏しく、また雑音も多くなっています。
 Dutton盤の方は、ポリグラム盤と丁度反対で、ノイズリダクションをかけ、残響を付加しているので、元来の音はたぶん若干損なわれていますが、雑音は皆無に近く、響きが多い迫力のある音になっています。
 ただ、この2枚は、方向性こそ異なるものの、レベル的にはほぼ同水準です。
 あとは、聴く人の好みによって、どちらを買うべきかは自ずとはっきりしてくるでしょう(2001/3/16)


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