A.ヴォールモレン 2本のオーボエのための協奏曲

指揮ウィレム・メンゲルベルク
独奏Ob:ヤープ・ストーチェン
Ob:ハーコン・ストーチェン
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1944年2月26日
販売及び
CD番号
TAHRA(TAH 401-402)


このCDを聴いた感想です。


 予めお断りしておきますが、作曲者名のフーアモーレンと 独奏者のヤープ・ストーチェンとハーコン・ストーチェンというのは、アルファベット表記の「Voormolen」「Jaap Stotyjn」「Hakon Stotyjn」を推定で読んだだけですので、本当はもっと違う読み方なのかもしれません。

 独奏者のヤープとハーコンの二人のストーチェンは、実は親子です。
 ヤープが父親でハーコンが息子なのですが、恐らく当時は名が知られたオーボエ奏者だったのでしょう、この曲もこの二人のために作られた曲だったのです。
 初演は、当然この二人をソリストとして、1935年1月23日に行なわれました。
 指揮は作曲者自身で、演奏は残念ながらコンセルトヘボウ管ではなく、ハーグ・レジデンティ管でした。

 この曲が作られたのは20世紀に入ってからですが、現代音楽っぽくは無く、寧ろロマン派の傾向を受け継いだメロディックな音楽です。
 同じ種類の独奏楽器が2本というところが、ちょっと珍しいのですが、バロック時代にはよくありましたから、それほど変ではないのでしょう。もちろんコンチェルト・グロッソとかと同じに考える訳にはいきませんが(さすがに独奏楽器はかなりソロらしい扱いですから)
 ただ、第1楽章なんかは、形式的にはバロック…とまでは行かなくても、古典派に近く、形式に則って作曲されています。
 メロディーも、第1楽章は明るく機能的で、ちょっと古典的なところがあるのですが、第2楽章では幻想的な雰囲気になり、第3楽章のメロディーに至っては、何となくショスタコーヴィチの第9番を髣髴させるかのようなちょっと偏執狂的なそれでいて遊び心に溢れた雰囲気があります。
 全曲でも20分足らずで、全体的な雰囲気も明るくメロディーもとっつき易いので、結構聴きやすいのではないかと思います。

 この曲は独奏者が二人いるので、この二人の呼吸が合っていないといけません。
 その点この演奏は、独奏者は親子である上に初演者でもありますので、呼吸はピッタリ……と言いたいところですが、実はちょっと怪しげな部分もあります。
 ただ、怪しいといってもほんの僅かですし、ほとんどの部分ではピッタリと合っています。また、バランスは単に同じ音量ではなく、主旋律なのかどうか、和声的な動きをしているのか対位的な動きをしているのかを考えてバランスを調整しています。
 ライブ録音という事を考えると、最高級のレベルといって良いのではないかと思います。
 また、テクニックの方もほぼ完璧で、一部音程が怪しい部分もあるのですが、どうも録音にムラがあることから来る音程の不安定さのようで、ソリストのせいではないと思います。

 バックのオーケストラは、あくまでも伴奏に徹していて、決して独奏を邪魔しないようにしています。
 協奏曲ということもあって、人数を減らしているのでしょうか、交響曲などと較べて音が薄いような気がします。
 さらに、メロディも、ポルタメントをたっぷりかけて歌いこませるのは、独奏が出てこない部分に限られていて、独奏が出て来る伴奏のときは、随分アッサリと演奏しています。
 テンポも、独奏がメロディーを歌いこむ時にルバートをかける以外は、ほとんど一定のテンポで通していて、とてもメンゲルベルクの最晩年の演奏とは思えないほどです。(2001/10/12)

 後に、掲示板で、「Voormolen」はヴォールモレンと、昔(1985年頃)のレコ芸に表記してあった事を教えて頂いたため、その表記に統一します。(2003/03/28)