三善晃 「響紋」〜オーケストラと童声合唱のための〜

指揮尾高忠明
演奏東京フィルハーモニー交響楽団
東京放送児童合唱団
録音1984年6月23日
カップリング石島正博 「オード」 他
民音現代作曲音楽祭'84の一部
発売カメラータ・トウキョウ
CD番号32CM-296


このCDを聴いた感想です。


 この曲は「レクイエム」「詩篇」と続いた3部作の最後を飾る作品です。
 この3部作は、三善晃の生と死に対しての考え方を表したものだと思います。
 この前二作である「レクイエム」と「詩篇」は両方とも聞いたことがありませんが、作者の解説によると、「レクイエム」が死者から生者への問いかけを聴き、「詩篇」が生者から死者への呼びかけだそうです。
 生者から死者へ呼びかけても、当然相手には届かない。一方死者に対する存在として、子供たちがいる。
 人は必ず死者の仲間入りをする。しかし、この「響紋」では、子供たちからの声を聴く耳だけは残しておきたいという希望をあらわしている……と思います。
 実際のところ、わたしもよくわかっていません。
 解説文を呼んだ限りでは、上記のように感じただけで、本来の意図と違う可能性は……そうですね、95%以上じゃないでしょうか(笑)
 本当は、解説文をここに掲載してそれを読んでいただくのが間違いないんでしょうが、著作権も絡んでくる可能性がありますので、それはやめておきます。

 全体で15分程度の曲ですが、特定の様式にとらわれず、静かなゆったりした部分、全楽器が錯綜し激しく動く速い部分、ゆったりとしていながら粘り気のある圧力を感じるフォルテの部分が、交互に表れ入り混じります。
 だいたい、一般的に思い浮かぶいかにも現代音楽っぽい曲に当てはまると思います。

 この曲の最も重要な部分である童声合唱が歌っているのは、童謡の「かごめかごめ」です。
 歌詞自体は、原曲と変えてある部分もあります。おそらく作曲者の三善晃自身が変えたのだと思いますが…
 この合唱がいくつかのグループに分かれて、調をずらして、次々に「かーごめかごめ…」と歌っていくのですが、何かが迫ってくるような、有無を言わせぬ迫力があります。
 子供たちからの問いかけといいますが、なんだか死者からの問いかけのようです。

 この曲は、友人たちに聴かせて回りましたが、評判は……非常に悪かったです。
 ある友人なんかは「水子の霊が出そう…」とまで言うし(泣)、まあ、この曲調じゃ仕方がないところなんでしょうけどねぇ(笑)(2000/5/19)


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