A.ドヴォルジャーク スラヴ舞曲 第1集

指揮ベルナルト・ハイティンク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1959年9月、1962年9月、1963年6月、1966年5月
発売PHILIPS
CD番号422 477-2


このCDを聴いた感想です。


 思いっきり力を入れた重い演奏です。
 この演奏は1959年の録音ですから、おそらくハイティンクとコンセルトヘボウ管とのコンビの最初期の録音の一つだと思います。
 初めて録音するという意気込みの表れか、かなり気合が入っており、どのメロディーをとっても気を抜くことなく力の限り歌いこんでいます。
 ただ、あまりにも力を入れているため全体的に重くなってしまいました。
 第1曲や終曲の第8曲のように重さがうまく力強さとなっている曲もありますが、第3曲や第4曲あたりも力を入れてメロディーを歌わせているため、わりとのんびりとした雰囲気の曲のはずが、のんびりどころか緊張感が強く、さすがにちょっと息苦しく感じました。
 さらに、メロディーを歌わせる事が中心になっているため、伴奏の扱いがちょっとざっくりとまとめられているように聞こえます。このCDに一緒に入っているブラームスのハンガリア舞曲が80年代の録音なのですが、その演奏では伴奏の音一つに至るまで歌い方や音色が丁寧に仕上げられているのに対して、このスラヴ舞曲の方では、まあ録音が古いためもあるのでしょうが、大雑把な印象を受けます。
 ただ、重くても、オーケストラの音色自体はヴァン・ベイヌム時代の特徴をかなり残していて、骨太ながらあまり響きをつけずに細く締めた輪郭のハッキリした音で、響きがスッキリしているため、重くても鈍重にはならず、聴き辛いというほどではありません。
 その一方で面白かったのは、ハイティンクが「こうしたいんだ」という意志を強く出している点です。
 後の外見的には中庸を保ちながら内部を濃く充実させていく解釈とは異なり、もう外見から大きく変えています。
 さすがに音を変えたりカットしたりはしていませんが、メロディーを歌い込むのに合わせてテンポも大きく変え、曲の盛り上がりと共にテンポをどんどん巻き上げていったりなど、外面の効果を重視したドラマティックな音楽作りをしています。
 特に、第5曲の中ほどで短調になって木管の上から降りてくるメロディーを吹く場面で、急に半分くらいのテンポまで落とすのには驚かされました。まさかそう来るとは。意表を突かれました。
 ハイティンクも昔はこんな演奏をしてたんだ、と興味深い一枚でした。(2004/12/4)


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