A.ドヴォルジャーク 管楽セレナード

指揮ネヴィル・マリナー
演奏アカデミー室内管弦楽団
録音1981年6月
カップリングチャイコフスキー 弦楽セレナード
発売PHILIPS
CD番号434 219-2


このCDを聴いた感想です。


 ドヴォルジャークのセレナードは二つありまして、一つは弦楽セレナード、そしてもう一つがこの管楽セレナードです。
 実は管楽セレナードより弦楽セレナードの方が有名なのですが、管楽セレナードとしてはモーツァルトやリヒャルト・シュトラウスの13管楽器のためのセレナードと並んで、大編成のセレナードの代表作です。
 編成は、
  オーボエ×2
  クラリネット×2
  ファゴット×2
  コントラファゴット×1(任意)
  ホルン×3
  チェロ×1
  コントラバス×1
 の全部で12の楽器で構成されています。
 おもしろいのはこの編成の中に木管楽器の代表的な一つのフルートが入っていないことです。
 これは、モーツァルトのセレナード第10番の「13管楽器のためのセレナード」(通称『グラン・パルティータ』)と共通しています(R.シュトラウスの方はちょっとわかりませんが)。
 モーツァルトの場合はフルートが嫌いだったということなので、なんとなく納得できるのですが、ドヴォルジャークの方にも入っていないのは興味深いところです。
 硬い響きが欲しかった…というところなんでしょうか。
 また、管楽セレナードといいつつ、チェロとコントラバスが一挺づつ含まれています。
 これは、理由がだいたい想像つきます。
 基本的に木管の合奏は低音が弱いのです。ファゴットしかいませんので。
 だから木管五重奏のときもホルンが入って補強するのですが、この場合もズッシリとした重みが欲しいということで低音楽器を増やしたのだと思います。
 では、なぜ同じ管楽器の金管の低音楽器にしなかったかというと、恐らく金管ではパワーが強すぎてバランスが壊れてしまうからでしょう。また、弦楽器の方が細かい動きができるからという理由も考えられます。
 まあ、上記の話は、わたしが勝手に推理しただけなので、あんまり本気にしないでくださいね(笑)
 そういえば、ホルンは3本使われていますが、この3本というのは、わたしは非常に珍しい編成だと思っていましたが、最近は探せば結構あちこちにあるんじゃないかと思うようになりました。
 たまたま近々演奏するからというのもありますが、ベートーヴェンの<Eroica>、プロコフィエフの「ピーターと狼」など、ホルンが3本の曲を立て続けに身近に接する機会があったので、そう思ってしまいました。

 さて、曲の内容のほうですが、
 メロディーの民族っぽさが、まず耳を捉えます……第1楽章だけ。
 そうなんです。第1楽章に較べて第2、第3、第4楽章では、土着的な雰囲気が薄めになります。
 といいますか、第1楽章のメロディーが妙に民族の香りを放っているのです(笑)
 第2楽章では完全にメヌエットとして優美な世界になっていますし、第3楽章もゆったりとした中にも緊張感の漂う優雅な雰囲気です。
 第4楽章は、幾分は民族的雰囲気がありますが第1楽章ほどではありません。

 わたしは、この第4楽章が大好きで、この楽章だけでも演奏してみたいと思っています。
 この楽章は、ユニゾンではないんですが、全楽器揃って同じリズム音型という動きが効果的に使われており、これが、アレグロ・モルトという速いスピードで演奏されるため、意外と激しく迫力を感じます。
 そして、中間で第1楽章のテーマが帰ってくるという、かなりインパクトがある展開になります。
 そこから、一気に終結部へと盛り上げて行き、最後はホルンがマーラー風の三連符の分散和音が出てくるという、なかなかカッコイイ終り方になります。
 もう、もろに交感神経を刺激されまくりといった感じです(笑)

 そういえば、このCDはチャイコフスキーの弦楽セレナードとのカップリングですがちょっと珍しいんじゃないかと思います。
 チャイコフスキーの弦楽セレナードと組み合わせるんだったら、ドヴォルジャークでも弦楽セレナードの方とくっつけますよね、普通。
 もしくは、管楽セレナードと弦楽セレナードの組み合わせだったら、両方ともドヴォルジャークのをいれますよね。やっぱり。
 おかげで、わたしはいまだにドヴォルジャークの弦楽セレナードは聞いた事がありません。まったくもってヒドイ話ですが(笑)(2000/10/20)


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