A.ブルックナー 交響曲第5番 変ロ長調

指揮リッカルド・シャイー
演奏ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1991年6月
発売DECCA
CD番号433 819-2


このCDを聴いた感想です。


 メンゲルベルクを中心に扱っていることもあり、アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏は、他のオーケストラとはほとんど一桁違うぐらい数多く取り上げてきました。
 しかし、それもハイティンクの時代までで、その次のシャイーの演奏は取り上げたことがありません。いや、別にシャイーの演奏が好きではないわけではなく、次こそ取り上げよう、いやその次にするか、などと思っているうちに、どんどん引き延ばしてしまい、しまいにはシャイーは辞任してヤンソンスの時代になってしまいました。
 さすがにそろそろ何とかしなければと思い、シャイーの中でも特に気に入ったこの演奏を取り上げることにしたのです。
 そもそも考えてみれば、ロイヤル・コンセルトヘボウ管になってからすらも初めてですね。

 まあ、余談はともかく、シャイーのこの演奏は、ブルックナーにしてはかなり明るく軽い方ではないかと思います。
 明るいといっても、パリ音楽院管みたいな原色バリバリの鮮やかな明るさではありません。
 もっと青空を思わせるような澄んだもの。それも夏の濃い青ではなく、春や秋の水色の空です。ついでにジャケットのデザインも水色を基調としています。
 余計な力を抜いて伸び伸びと音を出していて、響きはスッと軽く昇っていくような抜けの良いものです。
 正直に言って、力強さとか堂々と辺りを見下ろすような圧倒感はありません。
 しかし、よく登場する金管のコラールなどの音色が一体になった和音には、いかにもコンセルトヘボウ管らしいまとまりが感じられます。
 むしろ迫力を捨て、柔らかく広がる響きによる清々しさを持ち味にしています。
 穏やかに聴ける演奏です。

 その一方で、第2楽章は他の楽章とは少し異なっています。
 弱いピアノが基調の音楽ながら、力が入っています。
 他の楽章と同様穏やかな雰囲気は変わらないのですが、内側は情熱的で、表情も豊かです。
 メロディーを粘って歌わせたりとスケールも他の楽章よりも一回り大きく、シャイーもこの楽章を曲のポイントと考え、重点を置いているのではないでしょうか。(2005/9/3)


サイトのTopへ戻る